ダイエットが続かない一番の原因は「意志の弱さ」ではなく、極端な方法が体に起こす医学的な反応と、毎日の生活習慣とのズレにあります。
札幌市西区の「グッドライフクリニック西町南」院長・野呂昇平氏のブログと、日本肥満学会のガイドラインをもとに、続けられる現実的な減量法を整理しました。
先に結論を言うと、目指すべきは「短期間で大きく落とす」ことではなく、「現体重の3%を3〜6か月かけて無理なく落とし、それを維持する」ことです。
ダイエットが続かないのはなぜ?まず結論から
続かない理由を一言でいえば、「やり方が体に合っていないから」です。
野呂院長は同院の公式ブログ記事「ダイエットが続かない人必見!医師が教える現実的な減量法」のなかで、ダイエットが続かない・成功しない背景には、明確な医学的理由と生活習慣上の問題があると説明しています。
逆にいえば、そのしくみを理解すれば、現実的で継続可能な減量は十分に可能だ、というのが院長の見立てです。
筆者としても、ここが最大のポイントだと感じます。「根性が足りない」と自分を責める前に、まず方法そのものを疑うべきだ、ということですね。
具体的なつまずきポイントは、大きく次の2つに整理できます。
体重が落ちないと感じる時期がある:体重は日々変動し、特に最初の数週間は水分や便の影響で数字が動きにくい。ここでモチベーションが切れてしまい、挫折につながりやすい。
極端な方法は体が抵抗する:極端なカロリー制限や、炭水化物を完全に断つやり方は、体が「飢餓状態」と判断して基礎代謝を下げてしまう。
つまり「頑張っているのに減らない」と感じる時期は、失敗ではなく、むしろ多くの人が通る通過点だということです。
札幌・グッドライフクリニック西町南とは?院長・野呂昇平氏の専門性
このクリニックは、札幌市営地下鉄東西線・発寒南駅から徒歩約10分の場所にある、生活習慣病に特化した予約制のクリニックです。
すでに生活習慣病になっている人の治療だけでなく、健康診断で指摘された人の「発症予防」を得意としているのが特徴で、メディカルフィットネス施設を併設し、2024年5月に予防医学に本腰を入れる形でリニューアルしています。
注目したいのは院長・野呂昇平氏の経歴です。野呂院長は脳神経外科専門医・脳卒中専門医・救急科専門医でありながら、日本医師会認定健康スポーツ医、健康運動指導士、さらに公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)の資格も併せ持っています。
ここが、この記事で筆者がもっとも面白いと感じた点です。
脳卒中の現場で「血管が詰まった先に何が起きるか」を見てきた外科医が、同時に運動指導の国家資格・民間資格まで持っている。つまり「なぜ太ると危険なのか」という医学の視点と、「どう体を動かせばいいか」という実技の視点を、一人の人物が両方持っているということです。
筆者としては、ダイエット情報があふれる今だからこそ、こうした「両刀」の発信者の言葉は信頼に値すると考えています。
なぜ「極端なダイエット」はリバウンドしやすいのか
結論から言えば、体が「省エネモード」に切り替わってしまうからです。
院長のブログによれば、極端にカロリーを減らすダイエットや、糖質を完全に抜くダイエットは、短期的には体重が落ちます。しかし体が飢餓状態と判断して基礎代謝を下げるため、長期的にはリバウンドの原因になりやすいと指摘されています。
さらに、先に触れたように、最初の数週間は水分や便の影響で体重が動きにくい時期があります。ここでやる気が切れて元の生活に戻ると、下がった代謝のまま食事量だけ戻る——という、もっともリバウンドしやすいパターンに陥ります。
筆者の解釈では、これは「サボったから戻った」のではなく、「体の防御反応として戻った」と捉えるのが正確です。
だからこそ、最初から代謝を落とさない、ゆるやかで続けられる方法を選ぶことが、遠回りに見えて一番の近道になります。
医師が教える「現実的な減量法」5つの実践ポイント
ここがこの記事の核心です。院長が勧めているのは、特別な運動でも特別な食事でもなく、日常に溶け込む小さな習慣の積み重ねです。
特別な運動より「ちょっとした運動」を増やす:階段を使う、1駅手前で降りて歩く——こうした日常動作を増やすのが一番の近道とされています。
「楽しい」と思える運動を選ぶ:義務でやる運動は続きません。ダンスや散歩、動画を見ながらの運動など、自分が楽しめるものを見つけることが継続のコツです。
週2〜3回の軽い筋トレを習慣に:筋肉が増えると消費エネルギーが増えます。スクワット、プランク、もも上げなど、軽めの種目を続けるだけでも体は少しずつ変化していきます。
食事は「極端にしない」:完全に何かを断つのではなく、続けられる範囲で整える。これが代謝を守る前提になります。
一人で抱え込まない:院長は別の記事で、最初は家族に同席してもらうことを勧めています。家族と一緒に取り組むほうが、献立も生活も見直しやすく、続きやすくなるからです。
院長がブログで繰り返し伝えているのは、「ダイエットとは習慣作りであり、完璧でなくていい、続けられることが大事」というメッセージです。
筆者としても、この「できることから少しずつ」という姿勢こそ、多くのダイエット情報に欠けている視点だと感じます。
なお、BMIが高く生活習慣病のリスクがある人には、医師の指導のもとで内服治療(GLP-1受容体作動薬など)を行うこともありますが、これはあくまで生活改善と併用するのが前提です。薬の効果や保険適用の可否は一人ひとりの状態によって異なるため、自己判断ではなく必ず医師に相談することをおすすめします。
「現体重の3%」とは?日本肥満学会ガイドラインの減量目標
では、現実的なペースとは具体的にどのくらいなのでしょうか。公的な基準を確認しておきましょう。
日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2022」では、減量目標が次のように定められています。
区分 BMIの目安 減量目標
肥満症 25〜35 3〜6か月で現体重の3%以上
高度肥満症 35以上 現体重の5〜10%(合併する健康障害に応じて設定)
ポイントは、ガイドラインが治療の目的を「体重を大きく減らすこと」ではなく、「肥満に起因・関連する健康障害の予防と改善」と位置づけている点です。
実際、特定健診のデータでは、1〜3%の減量でコレステロールや中性脂肪、HbA1c、肝機能が改善し、3〜5%の減量で血圧や尿酸値、空腹時血糖の改善がみられたと報告されています。
つまり、体重がわずか数kg減るだけでも、健康面のメリットは十分に得られるということです。
さらにガイドラインでは、食事・運動・行動療法を3〜6か月行い、1か月あたり0.5〜1kg程度の減量ができていれば、原則として薬物療法は開始しないとされています。
筆者の見立てでは、この公的基準と、野呂院長が言う「数か月単位の変化」「半年〜1年かけて無理のないペースで」という考え方は、見事に一致しています。SNSでよく見る「1か月で−10kg」のような目標が、いかに非現実的かが分かります。
「履くだけ」グッズは効く?ダイエットスリッパとランキングの見方
運動が苦手な人ほど気になるのが、「履くだけ」「ながら」でできる手軽グッズではないでしょうか。代表例がダイエットスリッパです。
商品比較メディア「マイベスト(mybest)」の「ダイエットスリッパのおすすめ人気ランキング【2026年6月】」は、理学療法士でダイエットコーチの山崎実悠氏が


