アニメ『薬屋のひとりごと』に登場する上級妃・里樹妃(リーシュ妃)は、その幼い外見と気弱な性格から、多くの視聴者の心を掴んでいます。
しかしその裏には、9歳で政略結婚させられ、14歳で再び後宮に戻るという複雑で不遇な過去が隠されています。
この記事では、そんな「不幸すぎる妃」とも称されるリーシュ妃のプロフィール、悲しいエピソード、そしてファンから愛される理由を、徹底的に解説していきます。
この記事を読むとわかること
- リーシュ妃(里樹妃)の数奇で不遇な過去
- 猫猫や馬閃との関係性とその成長の軌跡
- 声優・木野日菜さんが演じる魅力と理由
里樹妃の基本プロフィールと家柄
里樹妃は『薬屋のひとりごと』において、上級妃として登場する若き妃のひとりです。
年齢14歳という若さでありながら、その地位や家柄は非常に格式高く、物語内でも重要な存在として描かれています。
ここでは、彼女の立場や出自にまつわる背景を明らかにし、なぜこの若さで後宮の一角を担っているのかを解説していきます。
徳妃の位を持つ上級妃で年齢は14歳
里樹妃は、後宮内における上級妃(四夫人)の一人として「徳妃(とくひ)」の称号を持っています。
その中でも、最年少の14歳(数え年で14歳、実際には12~13歳)という異例の若さが注目を集めています。
妃としてのマナーや教養がまだ十分とは言えず、感情がすぐ顔に出る純粋さが彼女の特徴でもあります。
本来であれば妃には帝との間に子を授かる使命がありますが、里樹妃の場合、形式的な妃であり、現帝との関係は親子のようなものに留まっています。
名持ちの一族「卯家」のお姫様
里樹妃は、皇族に仕える家系の中でも特別な地位を持つ「名持ちの一族」の一つ、卯の一族の正統な直系の姫として育てられました。
この名持ちとは、過去に皇室に大きな貢献をした家系に与えられる十二支の名に由来する称号で、卯家はその中でも歴史が古く名門とされています。
しかし、先代の皇太后が「実力主義」を掲げたことで、卯家の政治的影響力は大きく衰退していきました。
そのため、父は家名を再興するために、幼い娘を政略結婚に利用するという苦渋の選択をしたのです。
このように、里樹妃は家柄・年齢・立場のすべてが特異であり、それが彼女を複雑な運命へと導いています。
リーシュ妃(里樹妃)が「不幸すぎる」と言われる理由とは?
『薬屋のひとりごと』に登場する上級妃・リーシュ妃(里樹妃)は、その年齢に似合わぬ重い過去と繊細な言動から、「不幸すぎる妃」として視聴者から同情を集めています。
彼女はたび重なる政略結婚、家族からの冷遇、そして後宮でのいじめという三重苦の運命に翻弄され続けてきました。
ここでは、リーシュ妃の「不幸体質」と呼ばれるまでの波乱万丈な人生を、具体的なエピソードを交えながらご紹介します。
9歳で先帝に嫁ぎ、すぐに未亡人に
里樹妃は、名門「卯の一族」の出身で、父の野心によってわずか9歳で先帝に嫁がされました。
先帝には幼い妃を好む嗜好があり、それを逆手に取った政略結婚でしたが、婚姻から間もなく先帝は崩御。
何の関係も築かないまま未亡人となった里樹妃は、出家を余儀なくされ、尼寺での静かな生活に入ります。
父親から冷遇され、再び政略結婚
一度は後宮から離れた里樹妃ですが、父親は再び彼女を政争の道具として利用します。
しかも、その次に用意された縁談は祖父ほど年上の男性の妾になるという、非情で非道なものでした。
この話を知った阿多妃と現皇帝が哀れに思い、彼女を「上級妃」として迎えることで救済したのです。
とはいえ、現帝との関係はあくまで形式的で、実質的には「庇護される娘」のような存在にとどまっています。
後宮でもいじめの標的にされる日々
再び後宮に戻った里樹妃でしたが、そこで待っていたのは、年齢ゆえの未熟さを狙ったいじめでした。
侍女たちは彼女の服装にわざとミスを起こしたり、アレルギーのある魚を与えたりする嫌がらせを行っていました。
しかも里樹妃自身はその悪意に気づいておらず、侍女たちを「味方」と信じていたのです。
その姿は主人公・猫猫からも「薄幸すぎて放っておけない」と言わしめ、不遇の姫として多くの共感を呼んでいます。
侍女たちのいじめとアレルギーの苦悩
後宮という華やかな世界に身を置く里樹妃ですが、実際の生活は決して穏やかなものではありません。
年若く純粋な性格が災いし、彼女は身近に仕える侍女たちからさえも陰湿ないじめを受けていました。
そのいじめは、命に関わるアレルギーに対する無理解や意図的な嫌がらせを伴う深刻なものだったのです。
青魚アレルギーを「偏食」として扱われる
里樹妃には青魚に対するアレルギーがあります。
体質的なものであり、口にすると蕁麻疹などの症状を引き起こす可能性があるにもかかわらず、侍女たちはそれを「偏食」と決めつけて無視していました。
中にはわざとアレルゲンを含む料理を用意し、里樹妃に食べさせようとする者までおり、いじめを超えた悪意が存在していたことが伺えます。
さらに問題なのは、里樹妃本人が侍女を信じ切っており、その行動の裏にある意図に気づいていなかった点です。
蜂蜜で死にかけた過去も
さらに幼少期、里樹妃は蜂蜜を食べて命の危機に陥った経験もあります。
これは乳児期における「乳児ボツリヌス症」に相当する症状で、乳児の腸内環境では処理できないボツリヌス菌が原因となる病気です。
生死をさまようような重篤な状態であったとされ、以降は蜂蜜が苦手な食材としてトラウマになっています。
そのため、里樹妃が「甘いものは好き」と口にしても、蜂蜜を使った菓子には恐怖を覚えるという、複雑な感情を抱えることに。
実際、お茶会で提供された柑橘と蜂蜜の茶菓に対しては、猫猫の機転で何とか難を逃れたものの、油断すれば命を落とすリスクと常に隣り合わせであることがわかります。
猫猫との関係から見える成長と信頼
里樹妃にとって、猫猫(マオマオ)との出会いは大きな転機でした。
当初は妃としての立場も経験も乏しく、いじめにさえ気づけなかった彼女ですが、猫猫との関わりの中で少しずつ自分を取り戻していきます。
猫猫はただの侍女ではなく、優れた観察眼と医薬の知識を持つ存在であり、里樹妃にとっては「救い」とも言える存在となっていきます。
猫猫が命を救った春の園遊会
ふたりの関係が最初に交差したのは、後宮の一大イベント「春の園遊会」でした。
この日、里樹妃に用意された料理には、青魚アレルギーを引き起こす食材が含まれていました。
その異常に気づいた猫猫は、巧みに毒味役の立場を活かしてその皿を回避し、結果として里樹妃の命を救ったのです。
また、この一件で猫猫は単なる下女ではなく、信頼に足る人物として里樹妃に認識されるようになりました。
幽霊事件でも信頼を見せる里樹妃
猫猫への信頼はその後も続き、「金剛宮の浴室で幽霊が出る」という噂の調査でも表れます。
怯えながらも真剣な面持ちで相談を持ちかけた里樹妃に対し、猫猫は冷静に事実を分析し、問題の真相を突き止めました。
里樹妃はこの時、猫猫に対して素直に心を開き、「幽霊ではない」と説明されると安堵の表情を浮かべる様子も描かれます。
このやり取りは、里樹妃が他者を信頼する力を育てている証であり、彼女自身の成長の象徴とも言えるエピソードです。
リーシュ妃の恋模様と馬閃との関係に注目
悲運な日々を過ごしてきたリーシュ妃(里樹妃)にも、物語の中で一筋の光となるような存在が現れます。
それが、壬氏の側近である馬閃(バセン)との関係です。
お互いに言葉少なながらも、行動や視線から少しずつ育まれていく純粋で切ない恋心は、多くのファンの共感を呼んでいます。
命の恩人・馬閃とのほのかな恋心
馬閃と里樹妃の関係が深まるきっかけは、里樹妃の命が危険にさらされたある事件でした。
その際、馬閃が命懸けで彼女を守り抜いたことで、里樹妃の心に強く印象づけられたのです。
里樹妃は元々、人を疑うことを知らない性格ですが、馬閃に対しては特別な安心感を抱くようになります。
直接的な言葉では語られないものの、互いに惹かれ合う空気感が描かれており、その微妙な距離感に「尊い」と感じる視聴者も多いです。
現皇帝も後押しする可能性大の関係
注目すべきは、現皇帝がこの関係を後押ししようとしているという点です。
形式上は妃である里樹妃ですが、現帝とはあくまで親子のような関係であり、皇帝自身も彼女の幸せを第一に願っている様子が描かれています。
馬閃が皇帝から「何でも褒美をやろう」と言われた際、彼が「里樹妃との将来」を望めば、それが叶う可能性は十分にあるとされています。
馬閃は高順の息子であり、血筋・人格ともに申し分のない人物であることも、皇帝にとって安心材料となっています。
二人の関係がこれからどう展開していくのか、視聴者にとっても最大の注目ポイントのひとつです。
声優・木野日菜さんの魅力とキャスティング理由
アニメ『薬屋のひとりごと』で里樹妃の声を演じているのは、声優の木野日菜(きの ひな)さんです。
彼女の繊細な声と感情表現は、年若く心優しい里樹妃のイメージにぴったりだと、放送開始直後から大きな反響を呼びました。
ここでは、木野さんがどのようにしてこのキャラクターの魅力を引き出しているのか、そして彼女の代表的な出演作品やファンからの声についてご紹介します。
里樹妃の純情さを見事に表現
木野日菜さんは、可憐で少し儚げな少女役に定評があり、里樹妃のキャスティングにも非常に納得感がありました。
特に印象的なのは、猫猫の授業で「閨事」に関する話を聞かされた際のセリフ、「ぜぇったいむり」。
あまりの衝撃に柱に頭をぶつけてしまう演技は、純情な里樹妃らしさがにじみ出ており、視聴者の記憶に残る名シーンとなっています。
また、木野さん自身が「感情を込めすぎると硬くなる」と語っており、自然体のまま演じることを大切にしていることも、声の柔らかさや素直さに反映されています。
主な出演作とファンからの評価
木野日菜さんは、2014年に声優デビューを果たし、数々の話題作に出演しています。
代表的な役には以下のようなものがあります:
- 『スター☆トゥインクルプリキュア』:フワ役
- 『プロジェクトセカイ』:鳳えむ役
- 『とんでもスキルで異世界放浪メシ』:スイ役
- 『月とライカと吸血姫』:アーニャ役
これらのキャラクターはいずれも、感情豊かで個性的な子供・少女役であり、木野さんの演技力の幅広さを証明しています。
ファンからは「聞いていて癒される」「キャラの成長を声で感じられる」といった声が多く寄せられており、特に里樹妃のような内気な少女を自然体で演じられる希少な声優として高く評価されています。
薬屋のひとりごと・リーシュ妃のキャラ解説まとめ
『薬屋のひとりごと』に登場するリーシュ妃(里樹妃)は、その不遇すぎる境遇と儚げな魅力によって、多くの視聴者の心を掴むキャラクターです。
9歳で先帝に嫁ぎ、未亡人となり、14歳で再び後宮入り――その数奇な運命は少女にはあまりに過酷でした。
しかし、猫猫との出会いや馬閃との淡い関係の中で、彼女は少しずつではありますが、自分の意思で未来を歩もうとする力を育んでいます。
その過程で描かれる繊細な心の動きや、一歩一歩の成長は、視聴者にとって「守ってあげたくなる存在」でありながらも、「いつか報われてほしい」と願わずにはいられない魅力となっています。
そして、そんな里樹妃の声を担当する木野日菜さんの演技もまた、キャラクターの魅力を何倍にも引き上げる要素となっています。
これから彼女がどのように変わり、誰と結ばれ、どんな未来を選んでいくのか――今後の展開からますます目が離せません。
この記事のまとめ
- リーシュ妃は14歳で徳妃の位を持つ上級妃
- 9歳で先帝に嫁ぎ未亡人となる不遇の経歴
- 侍女からのいじめやアレルギー被害も経験
- 猫猫との出会いで少しずつ変化と成長
- 馬閃との関係に淡い恋心が芽生える
- 現皇帝も彼女の幸せを静かに後押し
- 声優・木野日菜さんの自然な演技も高評価
- 守りたくなる「薄幸の姫」としての魅力満載